2012年

8月

22日

遅発性筋肉痛の有力説

 

「特命リサーチ200X」より


そもそも筋肉のは、数千本もの筋線維が束になったもの(但し数本の筋線維の集まりのものもある)で、この筋線維は筋膜と呼ばれる結合組織によって包まれている。

「筋肉痛」はこの筋線維に出来る小さな傷が原因で起こるという。

実は、 痛みを感じる痛覚は、筋膜には存在しているが筋線維には存在していない。

そのため、筋線維に傷がついてもすぐには痛みを感じない。

しかし、時間の経過と共に傷の修復が始まり、白血球が傷ついた筋線維を取り除く。

このときに発痛物質が発生し、この発痛物質が筋膜にある痛覚を刺激して痛みが起こる。

これが「筋肉痛」。



年をとるにつれて、毛細血管の流れが悪くなったり、流れの止まった血管が出てくるため、白血球が集まりにくくなる。

すると白血球が傷ついた筋線維を取り除きにくくなり、発痛物質の発生が遅れるようになってしまう。

その結果、痛みを感じるのが遅くなってしまうのではないかと考えられている。

つまり「筋肉痛」が2日後に発生することがあるのは、年を重ねたことによって血液の流れが悪くなり、白血球の集まりが遅くなってしまったことなどによって起きていると考えられる。

痛みを感じる痛覚が、筋膜に存在する。筋線維には存在しない。
これが、今のところ最も有力な「遅発性筋肉痛」の原因ではないでしょうか?
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2012年

8月

08日

筋の記憶力:PART2

筋の記憶力:PART2

 

 

 2001年9月の本コラムで「筋の記憶力?」という記事を掲載しました。
現役を退いてから15年ぶりにボディビルコンテストに復帰し、全日本クラス別90kg級で6位、社会
人マスターズで優勝した当時のことです。
長いブランクのためにすっかり筋肉は萎えてしまっていましたが、コンテスト出場を心に決めてから6ヶ月あまりの筋力トレーニングで、一応「コンテストコンディション」といえるような状態にできたこと自体、本人にも驚きでした。
そこで、「筋には以前のトレーニングの効果が、ある種の記憶となって長期間残っているのではないか?」と考え、そのことを多少学問的に解説しようと試みました。
その後研究が進展し、ごく最近になって、この9年前の想像を実際に検証するような研究が報告され、"Muscle Memory"という用語まで論文に掲載されるに至りました。
今回は、この「筋の記憶力」について、新しい知見をもとに再考してみたいと思います。

トレーニングとディトレーニング
 私の指導院生の小笠原君は、6ヶ月間継続して筋力トレーニングを行うグループ(Tグループ)と、4週間トレーニング、3週間ディトレーニング(トレーニングを休止)というスケジュールで同じく6ヶ月間トレーニングするグループ(TDグループ)で、筋力の増加や筋のサイズなどを継時的に測るという研究を行いました。
まだ論文公表前の段階ですので、詳細は述べられませんが、要約すると次のような知見が得られました:TDグループでは、ディトレーニング中に筋力と筋サイズは徐々に落ち込んでしまいましたが、トレーニング再開とともにこれらは急速に回復し、結果的に6ヶ月後の筋力と筋サイズは、Tグループに完全に追いつきました。
このことは、少なくとも3週間程度、筋肉には「記憶のようなもの」が残り、トレーニング再開後すぐに、休止前の筋力と筋サイズに戻ることを示唆しています。

筋肥大と筋線維核数の増加
 トレーニングによる筋肥大は、筋線維の肥大と若干の筋線維の増殖によって起こりますが、主要因は筋線維の肥大です。
筋線維の肥大は、まず筋線維内でのタンパク質合成の上昇によって起こります。
しかし、筋線維の中にある核(筋線維核)には支配可能な「なわばり」といえる領域(核領域)があるため、ある一定の限度を超えて筋線維が肥大するためには、筋線維核の数を増やす必要があります。
このとき、新しい核の供給源となるのが、「筋サテライト細胞」という細胞です。
この細胞は、筋線維の素になる「幹細胞」で、筋線維の周囲に貼り付いています。
トレーニングすると、この筋サテライト細胞が分裂・増殖し、筋線維に融合することで核数が増え、筋線維がさらに肥大するという仕組みです。

ディトレーニングしても筋線維核は減らない
 最近、Bruusgaardら(2010)は、マウスとラットを用いた興味深い研究を米国科学アカデミー紀要(PNAS)という一流誌に報告しています。
彼らは、生きている筋線維中の核を標識し、特別な顕微鏡観察法によって、動物が生きたままの状態で、筋線維の横断面積と核数を経時的に測るという手法を用いました。トレーニングに相当する刺激として、後肢の前脛骨筋(TA)を切除し、共同筋である長指伸筋EDL)に過負荷をかけ肥大を起こさせました(代償性肥大)。
一方、ディトレーニングに相当するものとして、EDLを支配する運動神経を切除し、筋萎縮を起こさせました(除神経)。
その結果、TAの切除から2週間でEDLの筋線維横断面積が平均20%増大しましたが、その肥大に3日ほど先行して、長さ1mmあたりの筋線維核数が約40から60に増加しました。
その後、除神経すると、筋線維は急速に萎縮しましたが、増加した筋線維核数は減りませんでした。
この核数の増加は、除神経して2ヶ月たっても維持されました。
さらに、最初に過負荷をかけて筋線維核を増やしておくと、除神経による筋萎縮の程度そのものも低減することがわかりました。
この実験系では、残念ながら除神経で萎縮した筋に再び過負荷をかけることができませんので、再負荷後に急速に肥大が起こるかは不明です。
しかし、過負荷によって筋線維核が増えることが、一種の「長期記憶」として筋線維に定着する可能性が強く示唆されたといえます。

若いうちに筋肉をつくり、時には休む
 これらの研究から、筋には確かにトレーニング効果を「記憶する」メカニズムがあり、その一端は筋線維核の増加だろうと考えられます。
その「記憶」の長さは、マウスでは2ヶ月以上。
寿命から類推すると、ヒトでは10年以上にわたる可能性があります。
15年のブランクの後でも、比較的早期に筋を立て直すことができたことにも納得できます。
このことは、まず若いうちにしっかり筋肉をつくっておくと、生涯の財産になることを示唆しています。
一方、トレーニングプログラムの観点では、コンスタントにトレーニングを継続することが、必ずしもベストのやり方でない可能性があります。
一定期間の完全休息や、全く異なるタイプのトレーニングなどを挟み込んだ、バリエーションのあるプログラムが、最終的によりよい結果に結びつくのではないかと思います。

石井直方 東京大学大学院教授 理学博士

Kentaiニュース193号(2010年10月発行)より転載

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2012年

6月

11日

「太りやすい体質」を決める遺伝子

「太りやすい体質」を決める遺伝子

前回、「生来の筋量を決める遺伝子」として新しく見つかった、GDF-8(ミオスタチン)というタンパク質をつくる遺伝子のお話しをしました。
ミオスタチンは、筋肉が分泌し、自分自身の肥大成長を強く抑制するはたらきをもちます。
ミオスタチン遺伝子をはたらかなくした「遺伝子組み換えマウス」は、通常のマウスに比べ、筋量が2~3倍ある、「スーパーマウス」になります。
その後、同様の技術を用いて、筋量の大きな(食用部分の多い)ウシを作ったという研究と、そもそも筋量のやや多いウシの家系では、ミオスタチン遺伝子に小さな変異があったという報告が、それぞれ専門誌に報告されました。
これらの研究は、「筋肉のつきやすい素質」があり、それが遺伝することを示唆します。
一方、体脂肪について同様の可能性があることを以前紹介しました。
その後、著しい研究の進歩がありましたので、そのお話しをしましょう。

肥満遺伝子(ob遺伝子)
私たちは、肥満に関わる遺伝子(obese gene:ob遺伝子)を、7番目の染色体に持っています。
体脂肪の脂肪細胞に中性脂肪が蓄積してくると、脂肪細胞はこの遺伝子を用いてリプチンというタンパク質をつくり、分泌します。
リプチンは脳の視床下部という部分にはたらいて、食欲を減退させ、エネルギー摂取を抑えると同時に、からだの活動を高め、エネルギー消費を促します。
このようにして、ob遺伝子は、体内の脂肪量を一定にしていると考えられています。
これらの事実から、リプチンを肥満症の治療のためや、「究極の痩身薬」として用いる動きがあることを、96年1月号でお話ししました。

肥満遺伝子とヒトの家系
肥満遺伝子に異常のあるマウスは、確かに極度の肥満になります。
しかし、ヒトでも同じことがいえるのでしょうか。
これに対する最初の解答が、Montagueらによって、本年6月28日のNature誌に発表されました。
彼らは、重度の若年性肥満を示す家系について調べ、この家系に属する子供たちのob遺伝子に全く同じ変異があることを発見しました。
この報告は、私たちヒトでも、ob遺伝子が「太りやすい体質」を決めるひとつの要因になっていることを示します。

リプチン感受性の問題
ところで、リプチンは、脳の視床下部にはたらきますので、この部分のリプチンに対する感受性が低いと、リプチンがたとえ正常に分泌されてても、やはり肥満になります。マウスについては、このことを強く示唆する研究報告がなされています。
これは、例えばインスリンは分泌されるのに糖尿病になる、「インスリン非依存型糖尿病」の場合に似ています。
糖尿病の90%以上がこちらのタイプなのと同様、肥満体質の大部分も、視床下部のリプチン感受性の低下が原因かも知れません。
しかし、「どのようなメカニズムでリプチン感受性が決まるのか」、「運動するとリプチン感受性が上がるのではないか」などについてはまだ不明です。

脂肪を無駄に消費するタンパク質
それでは、テレビの「大食い王」のように「いくら食べても太りにくい人」がいたり、逆に「あまり食べないのに太りやすい人」がなぜいるのでしょうか。
食物の消化吸収効率の差も一因でしょうが、この点についての説得力のある研究はあまりありません。
一方、「ミトコンドリア脱共役タンパク質(UCP)」という、新しいタンパク質が見つかり、このタンパク質と肥満との関係が注目されはじめました。
このタンパク質は最初、冬眠をする動物がもつ脂肪組織(褐色脂肪)に見つかり、脂肪を燃料として効果的に熱生産を行なうためのタンパク質であることが分かりました。
すべての細胞は、酸素を取り込んで脂肪や炭水化物を分解し、エネルギー源であるATPをつくります。
このとき、多量のATPを生成するのが、ミトコンドリアにある「電子伝達系」という反応系です。
UCPは、この電子伝達系のはたらきを変え、脂肪や炭水化物のもつエネルギーを熱として放出してしまうのです。
冬眠中は、この熱が体温を保持ために重要になるのですが、同様のタンパク質(UCP-2)が、冬眠とは関係のない「白色脂肪」にも見つかりました。
白色脂肪は、私たちの体脂肪にあるものです。
したがって、私たちの脂肪細胞は、余剰の脂肪を熱として「無駄に」消費し、脂肪貯蔵量を増やし過ぎないようにするシステムをもっている可能性があります。
つまり、UCPがうまくはたらかないと、「あまり食べないのに太りやすい」ことになります。
このUCPをつくる遺伝子と肥満体質との関係は、今後大変興味深い問題といえるでしょう。

石井直方 東京大学大学院教授 理学博士

Kentaiニュース125号(1997年10月発行)より転載

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2012年

4月

06日

筋肉痛と筋の損傷は無関係?:筋肉痛研究の新しい展開

トレーニングを行う者にとって、筋肉痛はきわめて身近なテーマと思われます。
また、一般人にとっても、慣れない運動の後の筋肉痛はいやなものであるらしく、運動会のシーズンなどには、頻繁にマスコミ関係から筋肉痛に関する質問を受けます。
広い意味での筋肉痛にはいろいろな種類のものがありますが、一般に「筋肉痛」と呼んでいるものは、「遅発性筋痛」といって、運動やトレーニングの翌日、あるいは2日後に遅れてやってくるものを指します。
この筋肉痛の発生メカニズムについては、これまで「筋の微細な損傷に伴う炎症反応によるもの」という定説があり、私たち研究者もこれを受け入れてきました。
ところが、最近になって、新しい説につながる研究も現れはじめています。
この新しい説は、筋肉痛にまつわる様々な疑問点を解消してくれる魅力的なものですので、その概略をご紹介したいと思います。

筋肉痛のメカニズムに関する諸説・定説
筋肉痛のメカニズムに関する古い説に、「乳酸説」があります。
これは、高強度の運動によって筋で生成された乳酸が筋肉痛の原因であるとするものです。
確かに、筋の中にある化学受容器は、乳酸や水素イオンなどのさまざまな物質を受容し、「痛み」感覚を生じさせます。
運動直後に起こる筋肉痛(筋が重く、だるく感じる)にはこれが関係している可能性はありますが、遅発性筋痛が起こる頃には、乳酸などの代謝物質は筋から完全に除去されていますので、この説はありえないということになります。

一方、下り坂を走る、重い負荷を下ろすなど、筋が伸張性収縮を繰り返すと、強い筋肉痛が起こります。
このとき、筋線維に微細な構造的損傷が見られること、筋線維内のタンパク質(筋損傷マーカー)や、炎症反応によって発現するタンパク質(炎症マーカー)が血漿中に現れることなどから、「伸張性収縮による筋線維の微細な損傷に伴う炎症反応によって筋肉痛が起こる」という説が生まれ、定説となって多くの研究者に支持されています。

定説への疑問
この定説はそれなりに説得力があり、筋肉痛に関する質問を受けたときには、これを説明するのが常でしたが、完全に納得できるというものではありませんでした。
まず、筋肉痛に関わる研究の多くが、「筋を壊す」ことを前提にしているような、過激な伸張性負荷を課していることが問題です。
私の研究室では、ラットに伸張性トレーニングを負荷するモデルを使っていますが、効果的に筋肥大を引き起こすような、通常の負荷強度では、明確な筋損傷や、著しい炎症反応の亢進は見られません。
ヒトの場合にも、筋損傷に至らないようなマイルドな運動が筋肉痛を引き起こすこともあります。
また、強い運動と無関係に、「肩こり」のような筋肉痛に類似した現象も起こります。
さらに、筋肉痛は持続的に起こるのではなく、筋を圧迫したり、動かしたりしたときにのみ起こります。
これらは、定説ではうまく説明できません。

新しい動物モデル
「筋肉痛」に関する研究が十分に進展してこなかった理由のひとつに、筋の構造分析や生化学的分析を存分に行える動物実験モデルがなかったことがあります。
動物は「痛い」と言ってくれませんので、どの程度筋肉痛が起こっているのかを知ることができません。
ところが最近、Mizumuraらのグループが、ラットの後肢筋に針で圧迫を加え、どのくらい強く圧迫したときにラットが脚を引っ込める反応を示すかで筋肉痛を数値化するモデルを用い、興味深い研究結果を続々と報告しています(Muraseら、2010、など)。

筋肉痛に関する新たな仮説
この動物モデルを用いた研究で、伸張性筋力発揮を繰り返した後に、確かに筋肉痛が起こることがわかりました。
ところが、筋肉痛を示した動物の筋を調べると、筋線維の損傷も、炎症反応も起こっていない場合が多く見られました。
その代わりに、ブラジキニン(BK)、神経成長因子(NGF)などの発現増加が見られ、特に、NGFの抗体を与えてそのはたらきをブロックすると、筋肉痛の発生が抑えられることなどもわかりました。
これらの結果に基づいて、Mizumuraらは、次のような仮説を提唱しています:1)伸張性収縮によって筋線維からATPやアデノシンなどが漏出し、これらが血管内皮細胞からBKを分泌させる;2)BKは筋線維にはたらき、筋線維からNGFを分泌させる;3)NGFは筋内の機械刺激受容器(圧受容器)
にはたらき、その感度を上昇させる;4)その結果、通常では圧受容器を刺激しないような軽度の圧迫や筋収縮にも圧受容器が過敏に反応し、痛みが生じる。

筋肉痛はひとつではない?
この仮説は、まだ細かい点で検証の余地を残していますが、定説にまつわるさまざまな疑問点を見事に解消してくれる点で、きわめて魅力的に思います。
この仮説が正しければ、筋肉痛と筋の損傷・炎症には直接的な関係はないということになります。
一方、過激な運動による筋の損傷が、別のメカニズムで筋肉痛を引き起こす可能性もあります。
「遅発性筋痛」にもいくつかの種類があり、より細かい分類が必要となってくるかもしれません。


石井直方 東京大学大学院教授 理学博士

Kentaiニュース192号(2010年7月発行)より転載

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2012年

2月

20日

上半身を鍛えることの健康効果3

転倒の3パターン
「転倒」と一口に言っても、さまざまな転び方があり、大きく分けると「前転び」(前方への転倒)、「横転び」、「後ろ転び」の3パターンになります。
DeGeodeら(2003)は、高齢者の転倒事例のうち、男女とも約60%が「前転び」で、「横転び」と「後ろ転び」がそれぞれ約20%ずつであると報告しています。
それに伴う外傷として、上腕骨の骨折と、大腿骨の骨折がそれぞれ同じくらいの頻度で発生し、首・体幹部の骨折と続きます。
転んだときに、最初に衝撃を受け止める部位としては、手または上腕が40〜50%と最も多く、臀部が約20%、頭部が男性で約10%、女性で約20%となっています。
これらのことから、高齢者の転倒では「前転び」が圧倒的に多く、「上腕と肩でいかに上手に衝撃を吸収できるか」ということが最終的な危険回避の点で重要なことがわかります。
同時に、そのような場合に、容易に骨折しない上腕骨をつくっておくことも重要となるでしょう。
(④へ続く)

石井直方 東京大学大学院教授 理学博士
Kentaiニュース197号(2011年11月発行)より転載

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2011年

9月

03日

トレーニングと食事の適切なタイミングは? ②

消化管ホルモンの関連性
運動をした直後に食欲が低下することは、多くの方がすでに経験しているかもしれません。
これは、運動によって交感神経が活性化し、消化器の活動が低下するとともに、アドレナリンの影響
で血糖が上昇するためと考えられますが、最近では、消化管から分泌されるホルモン(消化管ホル
モン)が深く関係することがわかってきました。
消化管ホルモンには多種ありますが、特に胃から分泌されるグレリン、小腸から分泌されるペプチド
YY(PYY)、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)などが注目されています。
グレリンは、空腹になると分泌され、食欲を増進させるとともに、脳下垂体からの成長ホルモン分泌
を促進します。
一方、PYYやGLP-1は食欲を低下させるはたらきがあります。
上の実験で、経時的にこれらの消化管ホルモンの血中濃度を測定すると、運動直後にはPYYと
GLP-1の濃度はともに上昇し、それが運動後約1時間にわたって持続すると報告されています。
一方、グレリン濃度は運動直後に低下し、運動後1時間で元のレベルに回復します。
したがって、運動によるこれらの消化管ホルモンの変化が、食欲を低下させ、食事量を減らす効果
をもたらすものと考えられます。 (③へ続く)

石井直方 東京大学大学院教授 理学博士

Kentaiニュース195号(2011年4月発行)より転載

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2011年

9月

02日

トレーニングと食事の適切なタイミングは? ①

丁度1年前、「食事が筋肉のタンパク質合成を促す」と題して、筋肉づくりにおける食事の重要性
を解説しました。
食事による栄養摂取、特に糖質とロイシンが筋肉でのタンパク質合成を促すことから、たとえ減
量時でも、食事の回数を減らさないようにすることが重要であるという内容でした。
次に問題となるのは、運動と食事のタイミングをどのようにとると、筋量の増加や体脂肪の減量
により効果的かということでしょう。
今回は、この点についての最近の研究をご紹介します。

減量のための食事のタイミング
 昨年の「ためしてガッテン」という番組で、ダイエットのためには食事前に運動をした方が効果的
なことが紹介されたかと思います。
モニターさんを2グループに分け、一方には昼食の前に有酸素運動を、他方にはその逆をやって
もらったところ、食事の前に運動を行ったグループの方で減量効果が高かったというような内容で
した。
研究者としての視点でみれば、必ずしも有意な差を示しているようには思えませんでしたが、こ
の企画は、次のようなYoshikawaら(2009)の研究に基づいています。
彼らは、運動習慣のない肥満者と非肥満者を対象とし、朝9時に朝食、12時に昼食という食事ス
ケジュールの中で、10時〜11時に1時間の有酸素運動(最大酸素摂取量の50%強度の自転車
漕ぎ)を行わせた場合の、昼食の食事量に及ぼす影響を調べました。
その結果、肥満者、非肥満者のいずれにおいても、運動を行った場合の方が有意に(平均で
20%程度)、昼食でのエネルギー摂取量が減少しました。
同様の効果は、強い運動を短時間(75%最大酸素摂取量で30分)行った場合にも見られました。
一方、運動と食事の間隔を2時間にしてしまうと効果はありませんでした。 (②へ続く)

石井直方 東京大学大学院教授 理学博士

Kentaiニュース195号(2011年4月発行)より転載

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