基本に立ち返り、胸の3つの定番エクササイズを徹底活用! |
何事につけても、最もシンプルな解決策こそがベストという場合がある。胸のトレーニングについても、このことがあてはまる。胸には確かに効果的なエクササイズがいろいろある。しかしなんといっても、最も高い効果をもたらすのは、ベンチ・プレスやダンベル・フライといった基本エクササイズなのだ。 そこで今回は基本に立ち返って、これら胸のトレーニングの定番といえる3つのエクササイズで構成したワークアウトを紹介していこう。いずれも、多くのチャンピオン・ビルダーたちの素晴らしい胸をつくり上げてきた、基本中の基本エクササイズだ。 まず最初に行うのはバーベル・ベンチ・プレスだが、ここでは2種目めのダンベル・フライと組み合わせて、コンパウンド・セットの形式で行う。コンパウンド・セットとは同じ筋群の2種目を1セットずつ、連続して行う方法で(これがコンパウンド・セットの1セットとなる)、これを5セット行う。1種目めのベンチ・プレスでは、セットごとにウエイトを増やしていく。2種目めのダンベル・フライは、最初の2セットは軽いウエイトを使ってウォームアップ・セットとし、残り3セットでより重いウエイトを使用する。 最後の3種目めにはハンマーストレングス・インクライン・プレスを行い、胸の上部をターゲットにして鍛える。ハンマーストレングス・マシンを使うことで、ワークアウトの後半で筋肉が疲労してきた時点でも、より安全に限界まで追い込んで鍛えることができる(ハンマーストレングス・マシンがない場合は、スミスマシンで行う)。3種目めではリバース・ピラミッド形式をとり、1セットめを重いウエイトで4レップ行い、そのあとはセットごとにウエイトを減らしていく。 繰り返すが、このワークアウトは定番中の定番エクササイズで構成したもので、効果は保証済みだ。基本エクササイズの威力を十分に活用して、筋肉をしっかりと成長させよう! 1 バーベル・ベンチ・プレス(フラット・ベンチで) 各15、12、10、8、6レップで、5セット行う スタート・ポジション:フラット・ベンチに仰向けになり、グリップ幅を肩幅よりやや広くして、オーバーハンド・グリップ(手のひらを足側に向けた状態)でにぎる。スポッターの補助を受けて、バーをラックから持ち上げ、腕を伸ばして胸の上に構える。 動作:バーを胸の中部に下ろしていき、胸に軽く触れたところで動作を折り返し、力強く押し上げてスタート・ポジションに戻す。トップ・ポジションで肘を伸ばしきらないこと(肘関節をロックさせない)。次のダンベル・フライとコンパウンド・セットで行う。 2 ダンベル・フライ(フラット・ベンチで) 各12、12、10、10、10レップで、5セット行う スタート・ポジション:フラット・ベンチに仰向けになり、腕を真っ直ぐ伸ばして胸の上でダンベルを構える(手のひらは互いに向かい合わせる)。 動作:肘を軽く曲げたまま(動作全体をとおして、この角度を保つ)、弧を描くようにしてダンベルを横に下ろしていく。上腕が床とほぼ平行になる位置まで下ろしたら、動作を折り返し、胸筋を収縮させてダンベルをスタート・ポジションまで戻していく。左右のダンベルが触れ合う手前で動きを止める。 3 ハンマーストレングス・インクライン・プレス 各6、8、10、12レップで、4セット行う スタート・ポジション:ハンドルをにぎったときに肘とハンドルが同じ高さになるように、シートの高さを調節して座る。ハンドルをオーバーハンド・グリップ(手のひらを下に向けた状態)でにぎる。 動作:ハンドルを前方に押し出す(このとき、手首が常に肘の延長上にあるようにし、内側に曲げたり反らせたりしないこと)。肘が伸びきる手前で動きを止め(肘関節をロックさせない)、戻すときはウエイトを下ろしきらないこと(筋肉にかかる緊張を保持するようにする)。 マイケル・バーグ Michael Berg, NSCA-CPT
[『マッスル・アンド・フィットネス日本版』2005年5月号にて掲載]
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