体重が減ったのに体形がよくならないのはなぜ? |
体重だけで減量効果を判断しないこと! ダイエットを何回も繰り返し、やっと減量に成功。それなのに、以前に着ていた服がきつい……。体重が減ったのに、なぜ体形はもとに戻らないのか? そんな経験をしている人はいないでしょうか。 ダイエットの成否を単に体重計の数字だけで判断していると、成果を見誤ることがあります。重要なのは体重の数値よりも、そのうち体脂肪、筋肉がどれだけを占めているのかということです。体脂肪と筋肉の適正なバランスをつくることこそが、外見をよくする決め手であり、さらには健康増進のためにめざすべきものなのです。 体重と身長から肥満を判定する方法では、「身体組成」(筋肉と体脂肪の比率)が反映されません。つまり、体脂肪は少ないけれど筋肉が多くて体重の多い人が「肥満」となったり、一方、いつもダイエットをしていて筋肉が少なく体脂肪は30%以上もある人が「正常」の体重と判定される場合もあるのです。 ダイエットを繰り返す人に多く見られる問題が、体脂肪だけでなく筋肉も落としてしまい、結果的に体脂肪が増えてしまうことです。 “ヨーヨー・ダイエット”といわれますが、ダイエットによる体重減少と、そのリバウンドを繰り返している女性を対象にした調査では、一見太っているようには見えなくても、体脂肪率は30〜40%に上っているケースが多いことが報告されています。 この原因は、何年にもわたって減量ダイエットをくり返し、筋肉を落としてしまったことです。筋肉が落ちれば身体組成の比率が変わり、不健康なほど体脂肪の比率が高くなる場合もあります。筋肉が多ければエネルギーがより多く燃焼されるので、筋肉の減少は基礎代謝の低下につながり、体重を維持することがより難しくなっていきます。 筋肉と引き換えについた脂肪 食事を減らしてやせようというのは、長い目で見ればむしろ減量にはマイナスです。ダイエットだけで体重を減らそうとすると、体脂肪だけでなく筋肉も落ちてしまうことが多いからです。体重が5kg減っても、体脂肪の減少はそのうちの3kgだけで、残りの2kgは筋肉が減っていることもあります。 筋肉は代謝を高く保つためのエンジンのようなものなので、筋肉の減少は減量に直接的にマイナスの影響を与えます。筋肉を失うようなダイエットを続けていると、体が飢餓状態になったときにとる反応(体脂肪を蓄えようとする働き)が高まってきます。筋肉と引き換えに脂肪を増やす状態をくり返していると、体重が増えやすい体になってしまうのです。 筋肉は失うことなく、体脂肪を落としていくためには、摂取カロリーをそれまでよりも1日につき250kcal程度少なくする方法が効果的です。また、エアロビックトレーニングとウェイトトレーニングの両方を行うことも効果をあげます。エアロビックトレーニングはエネルギーを燃焼し、一方、ウェイトトレーニングは筋肉をつけるための有効な手段となります。「筋肉を大きくしたくない」からと、ウェイトトレーニングを敬遠する女性もいますが、その心配は不要です。ホルモンの働きが違うので、女性は男性と同じようには筋肉はつかないからです。 すでに身体組成が悪い方向に変わり、筋肉は減って脂肪が増えてしまっていても、体を変えていくことはできます。適切な運動(特にウェイトトレーニングが有効)と食事によって体脂肪を減らし、その代わりに筋肉をつけていくのです。ウェイトトレーニングは週に2〜3回くらい行い、さらにエアロビックトレーニングを行って余分なカロリーを燃焼するようにしましょう。 体重計の数字だけを減量の目安にしないこと。重要なのは筋肉を失わずに余分な体脂肪を減らすことです。引き締まった体にしたいのなら、無理な減量に走るのではなく、女性もウェイトトレーニングを行って、筋肉のついた健康的な体をめざしましょう! 筋肉を約2kgつけ、体脂肪を約2kg落とせば、体重には変化はないが、“中身”(身体組成)は次のように変わってくる。
ベティ・ウイダー Betty Weider |
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