筋力トレーニングを行うと身長が伸びなくなると言われていた時代もありました。
実際には、身長の伸びが止まるころに筋肉がつきやすくなるため、このような説が信じられていたのかもしれません。
発達のためにも、子どものころは様々な運動を経験させましょう。
ただし、小さいころからハードな練習をしている場合、それに見合っただけの食事量を取らないと、身長だけでなく各機能の発達にも悪影響を与えることが懸念されます。
運動量が多くなる場合は、栄養が不足しないように注意することが必要です。
昔は、遊びの中で必要な運動能力を習得していくことができましたが、現在は遊ぶ時間の減少や安全に運動できる場所や施設の不足等で、難しくなっているようです。
そのため、子どもには、計画的に発育段階に応じたトレーニング刺激を与えることが必要になってきます。
まず12-13歳くらいまでに神経系の発達が完了しますので、それまでにさまざまな動作を習得させることが大切です。
サッカーのリフティング等は、大人になってから身につけるのは難しいスキルです。
身体の動かし方や、力の入れ方、タイミングが要求されるからです。
自転車も子供のうちに乗れるようにしておく方が良いのは、この神経系の発達と関係があるからです。
小学生の体育の授業に、縄跳びもありますが、これも縄に合わせてタイミングよく飛ぶことが要求される種目で、この時期に習得すべきスキルだからです。
また、これら以外にも身体のバランスを取るような動作やタイミングをとる動作をいろいろな状況で経験させることが大切です。
中井敬子
東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了/健康運動指導士/
2010年世界パワーリフティング選手権女子52kg8位
Kentaiニュース195号(2011年4月発行)より転載
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